こんにちは。寄り道キャリアデザインの運営者です。
子どもの頃からの憧れや正義感、あるいは将来の生活基盤を安定させたいという思いから、警察官という仕事に強い関心を持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、最終学歴が中学校卒業であったり高校中退であったりする場合、警察官に中卒のまま本当になれるのだろうかと、受検資格の壁に不安を感じる場面もあるかもしれません。
寄り道キャリアデザインでは、これまでの経歴や学歴にとらわれず、自分らしい働き方や多様な進路の選択肢を模索する方々に向けて、実践的なキャリアのヒントを発信しています。
私自身は大卒で警察官を拝命し、交番勤務などの現場を経験した後に民間企業へとキャリアを転換してきました。警察官という職種は非常にやりがいがある一方で、採用選考における基準や任用規程が厳格に定められているのも紛れもない事実です。
警察官の採用試験における現実的な資格要件や、中卒から警察官を目指す場合にどのようなステップを踏むべきなのか、疑問や不安を抱えている方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、警察官採用試験の仕組みや受検資格の実態、中卒から警察官への道を切り拓くための具体的なルートについて、私の経験や調べた情報を交えながら丁寧に整理してお伝えしていきますね。
K私は大卒で地方の警察官になりました。現在は全く違う職種で働いています。警察官になるためには高卒の資格は必須となるため、警察官を志す人は高校は卒業しましょう!
警察官採用における受検資格の実態と学歴の基準
中卒から警察官を目指すための現実的かつ確実な進路ルート
採用試験の難易度や選考内容および身体検査の基準
採用後の給与事情や昇任制度および身辺調査に関する真実
警察官に中卒ではなれない受検資格の真実
警察官の採用選考における学歴要件や年齢制限の仕組み、そして中卒から挑む際に知っておくべき試験のハードルについて分かりやすく紐解いていきます。まずは受検資格をめぐる現実から整理していきましょう。
警察官に中卒からなれるかの実態と受験資格
「警察官は中卒でもなれるのか」という問いに対して、現場を経験した私の見解から率直にお伝えすると、原則として「中卒のままでは受検資格を満たすことが極めて難しく、正規の警察官採用試験を受けることはできない」と考えておくのが賢明です。
警察官採用試験は、基本的に以下の3つの階層に区分されて設計されています。
- 大学卒業程度(Ⅰ類・A区分)
- 短大・高等専門学校卒業程度(Ⅱ類・一部自治体)
- 高校卒業程度(Ⅲ類・B区分)
中卒の方が受検対象となり得るとすれば「高校卒業程度(Ⅲ類・B区分)」になりますが、多くの都道府県警察の募集要項では、受検資格として「学校教育法による高等学校を卒業した人、または卒業見込みの人」という形式基準を定めています。そのため、学歴が中卒のままではエントリーの段階で要件を満たせないケースがほとんどなのです。
一部の都道府県(愛知県や大阪府など)では、募集案内上の表現として「大学卒業者以外」という除外規定を設けている事例も見られます。しかし、実際の採用選考では高校卒業程度の教養試験が課されるため、実質的に高校レベルの学力や相応の資格要件が強く求められる構造になっています。
私自身は大卒区分(Ⅰ類)で警察官になりましたが、警察学校や配属先の交番で出会った同期や後輩のⅢ類採用者を見渡しても、全日制高校、定時制・通信制高校を卒業した方や、高卒認定試験をパスしてきた方ばかりでした。
したがって、警察官を目指すのであれば、まずは「高卒資格」または「高卒同等以上の学力認定」を獲得することが第一歩になると捉えておくのが現実的かなと思います。
警察官採用の年齢制限と中卒後の進路選択
学歴と並んで見落としてはならないのが「受検可能年齢」の規定です。中卒直後の満15歳や16歳では、そもそも警察官採用試験に出願すること自体ができません。
警察官採用試験の受検資格には、労働基準法や地方自治体の任用規程に基づき、明確な年齢制限が設けられています。一般的な年齢基準は次の通りです。
| 項目 | 一般的な基準 | 注意点 |
|---|---|---|
| 下限年齢 | 満17歳以上(または採用年度末に18歳到達) | 15〜16歳の間は試験を受けられない |
| 上限年齢 | おおむね30歳〜35歳未満 | 自治体ごとに設定が異なるため事前確認が必須 |
採用上限年齢の背景や全国的な傾向について詳しく知りたい方は、警察官になるには何歳までかについて解説した記事も合わせて参考にしてみてください。
中学校を卒業した直後の15歳から16歳までの期間は、警察官試験を受けられない待機期間のような状態になります。
この貴重な時間をただ過ごすのではなく、通信制高校に進学して高卒資格を取得したり、高卒認定試験の学習に打ち込んだり、あるいは15歳から入校可能な陸上自衛隊高等工科学校を目指すなど、将来の警察官拝命に向けた土台作りに充てる進路選択が求められますね。
警察官を目指す中卒者への高認取得の勧め


高校を中退してしまった方や諸事情で進学しなかった方が、最短で受検資格を満たす有力な手段となるのが、文部科学省が実施する「高等学校卒業程度認定試験(高認)」の取得です。
高認に合格すると、国から「高等学校を卒業した者と同等以上の学力を有する」と公的に認定されます。これにより、形式基準で高卒資格を要求する自治体であっても、原則として「高校卒業程度(Ⅲ類・B区分)」の出願資格を完全に充足することができます。
高認を取得するメリットは、単に出願資格を得られるだけにとどまりません。採用試験の個別面接において、「挫折や困難な環境から逃げずに、自らの意志で勉強をやり遂げた証拠」として、自己規律の高さや学習意欲をアピールできる材料になります。
過去に在籍していた高校で取得した単位があれば受験科目が免除される仕組みもあるため、独学での負担を抑えつつ、半年から1年程度の集中学習で資格を手にすることが可能です。受検資格を満たすためのスピーディーな選択肢として、非常に有力なアプローチだと言えますね。
警察官採用試験の難易度や倍率の現実
警察官採用試験(Ⅲ類・B区分)の選考内容と難易度についても、しっかりと把握しておきましょう。試験は主に「一次試験(筆記・論文)」と「二次試験(面接・身体検査・体力測定)」で構成されています。
教養試験(筆記)の出題傾向
一次試験の教養試験は、5肢択一のマークシート形式で行われます。内容は高校卒業程度の学術水準であり、大きく以下の2分野に分かれます。
- 知能分野(文章理解・判断推理・数的推理・資料解釈):試験全体の配点の過半を占める最重要分野
- 知識分野(社会科学・人文科学・自然科学・時事問題):憲法や政治・経済、歴史などの暗記中心の分野
中卒から挑む場合、特に数的推理や判断推理といった数的思考力を問う問題で苦戦しやすい傾向があります。方程式や比率計算、確率といった「中学数学の基礎」を丁寧に学び直してから過去問演習に入ることが、合格ラインを突破する鍵になります。試験全体の倍率や勉強戦略の全体像については、警察官採用試験の難易度と倍率をまとめた記事で詳細を解説しています。
倍率の地域差と近年の傾向
警察官採用試験の倍率は、受検する自治体や年度によって大きく異なります。近年の採用倍率の一般的な目安は以下の通りです。
| 地域・区分 | 倍率の一般的な目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 警視庁(東京都)Ⅲ類 | 約 4.0 〜 6.0倍 | 全国最多の採用規模でチャンスも多い |
| 大都市圏(愛知・大阪など) | 約 3.3 〜 5.5倍 | 志望者の母数が多く筆記・面接ともに高水準 |
| 地方県警察 | 約 1.6 〜 3.5倍 | 採用枠や志望者数により倍率が大きく低下する地域も存在 |
最近では従来の教養試験に代えて、民間企業で用いられる「SPI3」などを導入する警察本部も増えてきており、公務員専門の学力試験対策の負担は一部で緩和されつつあります。とはいえ、決して油断できる試験ではありませんので、計画的な対策が必要不可欠です。
女性が中卒から警察官を目指す際のポイント


女性警察官(いわゆる女性警察職員)の採用枠は、近年大きく拡大しています。かつては事務職や交通整理などに限定されがちだった職域も、現在では地域課のパトカー乗務から刑事、生活安全、警備部門に至るまで完全に撤廃されており、活躍のフィールドは大きく広がっています。
以前は女性の採用定員が極めて少なかったため、男性枠を大きく上回る高倍率になるケースが一般的でした。しかし、積極的な女性登用施策に伴い、近年の採用倍率は4倍前後で推移しており、男性区分との実質的な競争率の差はほぼなくなっています。
長年にわたり受検の壁となっていた「身長・体重制限(例:男子160cm以上、女子154cm以上など)」は、警視庁をはじめ全国のほぼすべての都道府県警察で完全撤廃されました。
小柄な体格であっても、身長・体重を理由に門前払いされることは一切ありません。その代わりに重視されるのは、腕立て伏せ、上体起こし、反復横とび、シャトルランといった体力測定で測られる「基礎的な体力と持久力」です。女性であっても学歴要件さえクリアすれば、十分に合格を勝ち取ることができます。
警察官を中卒から目指す場合の待遇と身辺調査
警察官としての任用を果たした後の給与体系やキャリアパス、そして受検者が最も不安を感じやすい「身辺調査」の真実について、現場の裏側を交えて解説していきます。
警察官の気になる給料や年収事情
警察官の給与体系には、一般の行政事務職員に適用される行政職俸給表ではなく、危険手当などが加味された「公安職俸給表」が適用されます。そのため、初任給の時点で一般行政職よりも概ね10%〜15%程度高く設定されています。
| 項目 | Ⅰ類・A区分(大卒程度) | Ⅲ類・B区分(高卒相当) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 警視庁 初任給(月額) | 約 321,900円 | 約 279,400円 | 地域手当(20%)を含む確定基準値 |
| 都道府県警 初任給(月額) | 約 287,800円 | 約 250,000円前後 | 諸手当を含む基準額 |
| 賞与(期末・勤勉手当) | 年間 約4.90か月分 | 年間 約4.90か月分 | 勤務評定等に応じて支給 |
| 実務2年目モデル年収 | 約 650万〜660万円 | 約 600万円前後 | 超過勤務・各種特殊勤務手当等を含む目安 |
※上記数値は公表データを基にした一般的な目安であり、手当の支給状況や法改正により変動します。
初任給こそ大卒採用者と月額数万円の差がありますが、警察官には夜勤手当、祝日給、時間外勤務手当、さらには警護や危険物取扱などの特殊勤務手当が豊富に付くため、Ⅲ類採用であっても実務2年目で年収600万円を超えるケースは珍しくありません。同世代の民間企業勤務者の平均給与と比較しても、極めて高い水準と安定した生活設計が約束されています。
警察官の昇任試験と出世やキャリア形成


警察組織は、学歴による昇進の頭打ちが存在しない「完全な実力主義」のピラミッド社会です。国家公務員総合職試験を経て警察庁に入庁するごく一部の「キャリア組」を除き、都道府県警察に採用された警察官(いわゆるノンキャリア)は、全員が「巡査」という一番下の階級からスタートします。
巡査部長、警部補、警部へと昇任するための道は「昇任試験」で完全に開かれており、筆記試験(憲法・刑法・刑事訴訟法・実務法規など)と面接、勤務評定の結果によって厳正に合否が決まります。学歴による昇任のガラスの天井はありません。
ただし、昇任試験を受験できるようになるまでの「必要実務年数(在級期間)」には、採用区分ごとに以下のような差が設けられています。
| 昇任ステップ | Ⅰ類(大卒)の実務要件 | Ⅲ類(高卒相当)の実務要件 | 制度の背景 |
|---|---|---|---|
| 巡査 → 巡査部長 | 巡査として 2年以上 | 巡査として 4年以上 | 就学年数差の平準化(大卒22歳+2年=24歳、高卒18歳+4年=22〜24歳) |
| 巡査部長 → 警部補 | 巡査部長として 1〜2年以上 | 巡査部長として 3〜4年以上 | 現場指揮能力の蓄積年限の考慮 |
| 警部補 → 警部 | 警部補として 4年以上 | 警部補として 4年以上 | 学歴差が完全に撤廃され条件が均等化 |
最初の巡査部長昇任試験までに大卒より2年多く実務経験を積む必要がありますが、18歳で採用された場合、22歳で受験資格を得られるため、実質的な年齢で見れば大卒の同期とほぼ同じタイミングで巡査部長を目指せます。さらに警察署の課長級にあたる「警部」の試験以降は、学歴による要件差が一切撤廃されます。努力次第で警視や警察署長へとキャリアアップしていくことが十分に可能な世界です。
警察官の身辺調査と前科や家族の影響
警察官の受検にあたって、「家族に前科があるのではないか」「過去の素行で落とされるのではないか」と身辺調査に強い不安を覚える方は非常に多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、世間に流布している「3親等(あるいは6親等)以内に前科者がいると絶対に合格できない」という話は、根拠のない完全なデマです。
法律上、警察官への採用を阻却する基準は、地方公務員法第16条に定められた「欠格条項」に限定されています。
- 拘禁刑(旧懲役・禁錮刑)以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者
- 日本国籍を有しない者
- 日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党や団体を結成・加入した者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない者
この欠格事由はすべて「受検者本人」に対する一身専属的な条件です。親族に交通違反歴や軽微な前科があるからといって、それだけで一律に不合格とされる法的な規定は存在しません。
ただし、警察官は拳銃を所持し、極めて高度な機密情報を取り扱う職務であるため、同居親族が指定暴力団の現役構成員であったり、国家転覆を標榜する反社会的団体の幹部であるような特殊なケースでは、実務上の適格性審査で不利に働く可能性があります。
補導歴・交通違反・借金の扱い
受検者本人の過去の履歴については、以下のように運用されています。
- 未成年期の補導歴:深夜徘徊や喫煙などの街頭補導は警察署の指導警告に過ぎず、前科・前歴には当たりません。過去の過ちを素直に認め、その後に真面目に更生した姿勢を面接で語れれば問題ありません。
- 軽微な交通違反(青切符):一時不停止や速度超過による反則金の納付は行政処分であり、合否を直接決める要因にはなりません。ただし、面接書類で違反歴を隠す「虚偽申告」を行うと、不誠実と判断されて即座に落とされる原因になります。
- 金銭的信用状態:返済能力を超える消費者金融からの多額の借金や自己破産歴は、将来的な職権乱用や汚職のリスクを排除する観点から厳格にチェックされます。
通信制高校等で高卒資格を得て受検する道
冒頭でもお伝えした通り、中卒から警察官を目指す上での最も確実で王道となる選択肢は、通信制高校や定時制高校を活用して正規の「高等学校卒業資格」を取得することです。
通信制高校は、毎日登校する必要がなく、自宅でのオンライン学習やレポート提出を中心に自分のペースで高卒資格を取得できる仕組みが整っています。これにより、以下のような大きなメリットが生まれます。
- 働きながら学べる:アルバイトなどで学費や生活費を自力で稼ぎながら、公務員試験の筆記対策と高校の勉強を並行できる
- 面接での高い評価:採用面接において「自分の力で学費を工面し、勤労と学業を両立させた継続力」として、面接官に極めて好印象を与えられる
- 将来の選択肢が広がる:正規の高卒学歴となるため、他自治体の公務員試験や万が一の民間企業就職においても学歴制限を受けない
「遠回り(寄り道)になるのではないか」と感じるかもしれませんが、この寄り道こそが、面接で他の受験者と差別化を図る強力な自己PRのエピソードになります。挫折を乗り越えて自立した経験は、現場で様々な市民と対峙する警察官として、非常に価値のある人間性へと昇華されますね。
警察官に中卒から挑むためのまとめ
ここまで、警察官採用における学歴要件や中卒からのキャリア設計について詳しく見てきました。最後に大切な要点を整理しておきましょう。
- 中卒のままでは受検資格を満たせないため、まずは高卒資格または高認の取得が必須
- 試験の受検下限年齢は17〜18歳のため、15〜16歳の間は資格取得や学習の準備期間に充てる
- 身長・体重要件は全国で撤廃されており、基礎体力の強化と中学数学の復習が合否を左右する
- 採用後は公安職俸給表により安定した高給が得られ、昇任試験も完全実力主義で学歴格差はない
- 3親等内の身辺調査デマに惑わされず、誠実な自己開示と事前の対策を徹底する
世間一般では「中卒だから警察官なんて無理だ」と諦めてしまう声も少なくありません。しかし、制度の仕組みを正しく理解し、高認取得や通信制高校の修了といったステップを踏めば、警察官への扉は誰にでもしっかりと開かれています。
なお、各都道府県警察の採用基準や試験日程、年齢制限の細かな運用は年度ごとに見直される場合があります。正確な最新情報については各都道府県警察の採用公式サイトを必ずご確認いただくか、各警察本部の採用窓口へ直接ご相談くださいね。皆さんの挑戦を心より応援しています。


