こんにちは。寄り道キャリアデザインの運営者「K」です。
K警察官になりたいけれど、プライベートがないって本当?
交際相手が警察官なんだけど、全然会えないし連絡も遅い…
休みの日に旅行に行くだけで上司の許可がいるって都市伝説?
警察官という特殊な職業の「私生活」について、深い不安や疑問を抱いているのではないでしょうか。
インターネットで「警察官 プライベート ない」と検索すると、出てくるのはネガティブな情報ばかり。これから警察官を目指す方や、そのご家族、そしてパートナーの方にとって、その実態が見えないことは大きなストレスですよね。
正直に申し上げます。その不安、あながち間違いではありません。
私自身、新卒で警察官になり、交番勤務などを経験しました。
その中で痛感したのは、「警察官になった瞬間、一般人としての『自由』の多くを手放さなければならない」という現実です。
もちろん、やりがいはあります。しかし、その対価として支払う「プライベートの制限」は、皆さんが想像しているレベルを少し超えているかもしれません。
この記事では、元警察官である私が実際に体験した、警察学校の閉鎖的な生活から、現場配属後の寮生活、そして恋愛や結婚に至るまでの「リアルな制約」を、包み隠さず全てお話しします。
綺麗な言葉で飾られた採用パンフレットには絶対に載っていない、現場の真実です。
- 警察学校や独身寮における「24時間監視下」のような生活の実態
- 休日や非番の日でも心が休まらない「呼び出し」と「待機」の恐怖
- 恋愛、結婚、マイカー購入、旅行など、人生の楽しみに対する厳しい制限
- この環境に耐えられる人と、精神的に潰れてしまう人の決定的な違い


元警察官が語る警察官にプライベートはない実態


私が警察官の制服を着ていた数年間、常に心のどこかにあったのは「自分は組織の所有物である」という感覚でした。
24時間365日、日本の治安を守る警察組織において、個人の都合は二の次、三の次です。まずは、入庁直後から始まる「プライベート消滅」のプロセスについて、時系列で詳しく見ていきましょう。
警察学校は自由時間なしの地獄だった


警察官採用試験に合格すると、全寮制の「警察学校」に入校します。
ここは教育機関であると同時に、民間人としての甘えを徹底的に叩き直し、階級社会の規律を体に刻み込むための場所です。「自由時間? 何それおいしいの?」というレベルの世界が待っています。
朝は6時の起床ラッパとともに飛び起き、数分以内にグラウンドへ集合して点呼と体操。
そこから日中は座学、柔道・剣道、逮捕術、制圧訓練などが分刻みのスケジュールで詰め込まれています。教官の怒声が飛び交うのは日常茶飯事です。
「訓練が終わった夜なら自由なのでは?」と思われるかもしれませんが、そこからが本当の戦いです。
夕食後は、翌日の授業の予習、大量の報告書作成、制服のアイロンがけ、靴磨き、そして寮内の清掃などが待っています。これらは「連帯責任」で行われることが多く、誰か一人がミスをすれば全員がやり直しになります。
特に私が辛かったのは、「一人の時間が物理的に存在しない」ことです。
食事も、入浴も、就寝もすべて同期との集団生活。トイレの個室に入っている数分間だけが、唯一、誰の目も気にしなくていい時間でした。
スマホの使用も厳しく制限されており、外部との連絡も遮断されます。ここではプライベートがない以前に、「自分」という概念そのものが否定されるのです。
独身寮の部屋点検でプライバシー皆無


地獄のような警察学校を卒業し、晴れて警察署に配属されると、少しは自由になれると期待しますよね。
しかし、独身の若手警察官を待ち受けているのは独身寮への強制入居です。これは福利厚生の一環ではありますが、実態は「職場隣接の管理施設」です。
私が一番衝撃を受けたのは、定期的に行われる部屋の点検でした。
月に一度程度、署の幹部や寮長が各部屋を回り、整理整頓状況や衛生状態をチェックするのです。これは単に「部屋が綺麗か」を見ているだけではありません。
「私生活においても規律を守れているか」「不適切な物品を持っていないか」という、生活態度の査定も兼ねています。
引き出しの中を見られることはないにせよ、部屋の隅々までチェックされる屈辱感は、プライバシーを大切にする現代の若者にとっては相当なストレスです。
仕事が終わって家に帰っても、そこはまだ警察の支配下なのです。
寮生活は家賃が破格に安いという経済的なメリットはありますが、この「監視されている感覚」と引き換えにする価値があるかどうかは、人によって判断が分かれるところでしょう。
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警察官の待遇には「ブラックな実態」と「高い給料」の実態があります。なぜ給料が高いのか、その裏側を知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
休日も呼び出しに怯える恐怖の体験


一般企業であれば、休日に仕事の電話がかかってくることはあっても、緊急で出社することは稀でしょう。
しかし、警察官にとって「休日(週休)」や「非番」は、あくまで「今は事件が起きていないから休んでいい時間」という認識に近いです。
私が実際に経験した話ですが、休日に友人と映画館へ行ったときのことです。上映中に携帯電話が震えました。署からの着信です。
映画の内容など一瞬で吹き飛び、友人に平謝りしてその場を後にしました。
このような「非常招集」は、大事件や災害時には全職員にかかります。また、自分が担当している事件で被疑者が捕まった場合や、新たな証拠が出た場合なども、休日返上で呼び出されます。
実際に呼び出される頻度は部署によりますが、問題なのは「いつ呼び出されるかわからない」という緊張感です。
遠出ができない、お酒を飲みすぎられない、常にスマホのバッテリーを気にする。この見えない鎖につながれている感覚こそが、警察官が「プライベートがない」と感じる最大の要因です。
旅行には事前の届出と許可が必要
今週末は天気がいいから、ふらっと温泉旅行に行こうかな?
こんな些細な思いつきも、警察官には実行ハードルが高い行為です。
なぜなら、私的な旅行であっても、宿泊を伴う場合や管轄区域外への遠出をする場合は、事前に「旅行届」などを提出し、所属長の決裁(承認)を得る必要があるからです。
これは単なる「報告」ではありません。「許可」をもらう必要があるのです。
届出書には、行き先、宿泊するホテル名、同行者の氏名と関係、緊急時の連絡先などを詳細に記載します。
もし、その時期に大きな警備行事(サミットや要人警護、選挙など)が予定されていたり、年末年始などの繁忙期であったりする場合、「今は控えてくれ」と暗に(あるいは直接的に)自粛を求められることもあります。
海外旅行のハードルはさらに上がります。事前の申請はもちろん、渡航先での行動予定表の提出や、防諜上の観点からの指導が入ることもあります。パスポートを持っているだけで自由に海外へ行ける一般の方とは、前提条件が全く異なるのです。
勤務明けの非番は寝るだけで終わる
警察官の勤務体系、特に交番勤務(地域課)は、「当番(24時間勤務)」→「非番(明け)」→「週休(休み)」といったサイクルで回ることが多いです。
この「非番」というシステムが、警察官のプライベート時間をややこしくしています。



激務な地域だと非番も夕方くらいまで仕事をします。
非番は、朝の8時半〜9時頃に勤務が終了する日のことです。「朝に終わるなら、そこから一日中遊べるじゃん!」と思いますよね? 私も警察官になる前はそう思っていました。
しかし、現実は甘くありません。
当番の日は、仮眠時間が一応設定されていますが、110番通報が入れば当然吹き飛びます。一睡もせずに朝を迎えることも珍しくありません。そんな状態で迎える非番は、まさにゾンビ状態。
家に帰ってシャワーを浴びたら、気絶するように眠りにつき、目が覚めたら夕方…なんてことはザラです。
さらに最悪なパターンとして、勤務終了間際の朝8時に事件が発生することがあります。
そのまま昼過ぎ、夕方まで残業が続き、ようやく帰れる頃には次の勤務のための体力を温存しなければならない時間になっています。
| 時間帯 | 当番日 | 非番日(理想) | 非番日(現実) |
|---|---|---|---|
| 午前 | 8:30 出勤・装備点検 | 9:00 退庁・解放! | 朝イチの事件処理で残業 |
| 午後 | パトロール・事案対応 | 帰宅・自由時間 | 14:00 退庁、帰宅即爆睡 |
| 夜間 | 仮眠(あればラッキー) | 翌日に備えて早寝 | 起きたら夜、体は重いまま |
もちろん、体力お化けのような先輩は、非番でそのままゴルフに行ったり飲みに行ったりしていましたが、長く続けると身体を壊します。
非番はあくまで休息の時間であって、自由なプライベートタイムとは言い難いのが本音です。
体力が化けモノ級にある先輩や同期は非番も遊んでいましたが、私にはその気力は全くなかったです。
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こうした勤務体系の過酷さについては、以下の記事でも詳しく解説しています。「ずっと交番勤務なのか?」「キャリアパスはどうなっているのか?」気になりますよね。
警察官はずっと交番勤務なの?元警察官が語るキャリアと現場のリアル
警察官にプライベートはない?元職員の恋愛事情


仕事上の物理的な制約もさることながら、若い警察官にとってさらに悩ましいのが「恋愛・結婚」における独自のルールです。
「好きになった人と自由に付き合って結婚する」。そんな当たり前のことすら、警察組織というフィルターを通すと一筋縄ではいきません。
ここからは、少し踏み込んだ恋愛事情についてお話しします。
彼女との結婚には身辺調査の壁がある
警察官が結婚を決意したとき、最初に立ちはだかるのが身上報告の壁です。
これは、警察組織の規律と信頼を守るため、結婚相手やその親族に警察官の親族として不適切な人物がいないかを確認する手続きです。
具体的には、上司に対して「結婚したい人がいます」と報告書(身上報告書)を提出します。
そこには相手の氏名、生年月日、住所、職業だけでなく、相手の両親や兄弟姉妹、場合によっては祖父母や叔父・叔母の氏名や住所、職業まで記載を求められることがあります。



これは組織を守るため仕方がないことです。ただ、一般の方はどうしても理解できないこともあるため、当時付き合っていた彼女への説明も大変でした。
デート中も居住地制限で遠出不可
交際中のデートにも制約がつきまといます。先ほど呼び出しの話をしましたが、警察官には緊急参集に備えて居住地制限や行動範囲の制限があります。
多くの警察署では、「署から直線距離で〇〇km以内」「呼び出しから概ね1時間以内に到着できる範囲」といったルールがあります。
これは勤務時間外であっても意識しなければなりません。デート中であっても、この「1時間圏内」から大きく外れる場合は、本来であれば旅行届や事前の連絡が必要になります。
「今日は天気がいいから海までドライブに行こう!」となっても、「あ、そこは管轄外だから一応上司に言っておかないと…いや、面倒だな」となり、結局いつもの近場のショッピングモールで済ませる、なんてことが頻繁に起こります。
パートナーからすれば「もっといろんなところに行きたいのに」と不満が溜まる原因になりがちです。
車の購入やSNS利用にも厳しい制限
生活スタイルそのものにも、警察特有の「相場観」が求められます。例えば「マイカー」の購入です。
若手のうちは「身分相応」であることが美徳とされ、ローンを組んで高級外車を買ったり、派手な改造車に乗ったりすることは、上司や先輩からいい顔をされません。
「生意気だ」「金銭感覚がおかしい」とレッテルを貼られると、職場での居心地が悪くなります。
そして現代において最も厳しいのが「SNS」の利用です。Twitter(X)やInstagram、TikTokなどの利用について、各都道府県警は非常に神経質になっています。
「警察官であることをプロフィールに書かない」「制服姿をアップしない」「捜査に関わることを呟かない」これらは絶対の掟です。
一人が好きな人に集団生活は耐え難い
ここまで読んでいただいてお分かりかと思いますが、警察組織における生活は、常に集団がベースにあります。
警察学校での共同生活、寮での先輩後輩関係、現場でのチームプレー。これらすべてにおいて、個よりも組織の論理や協調が優先されます。
そのため、学生時代に野球部やラグビー部などのチームスポーツで「同じ釜の飯を食う」経験をしてきた人や、上下関係に慣れている人にとっては、比較的馴染みやすい環境かもしれません。
しかし、逆に「一人の時間がエネルギー源」である内向的なタイプや、「理不尽なルールには納得できない」という合理的思考の強いタイプの人にとって、この環境は「プライバシーの侵害」の連続であり、精神的にじわじわと追い詰められていくことになります。
私が知る限りでも、仕事の能力は非常に高いのに、この「集団生活特有の息苦しさ」や「24時間警察官でいなければならない重圧」に耐えられず、辞めていった同僚がたくさんいました。
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もしあなたが「この生活には耐えられないかも」と感じたり、既に警察官として働いていて限界を感じているなら、外の世界を見ることも一つの選択肢です。私が警察官を辞めてどうなったか、正直な体験談を書いています。
元警察官断言!警察官にプライベートはない
結論として、「警察官 プライベート ない」という検索キーワードに対する私の答えは、以下の通りです。



完全なプライベートはないと覚悟した方がいい。ただし、それに見合うだけの使命感と安定はある。
近年は働き方改革が進み、男性職員の育休取得率が上がったり、パワハラに対する意識が変わったりと、組織も少しずつ変化しています。
しかし、国民の生命と財産を守るという究極の責務を負う以上、一般の会社員と同じレベルの自由を手に入れることは、構造的に不可能です。
警察官になるということは、単に職業を選ぶだけでなく、ある種の生き方を選ぶことでもあります。制約は多いですが、それを補って余りある「社会の安全を守るやりがい」や「社会的信用」があるのも事実です。
これから警察官を目指す方は、この「厳しい現実」をしっかりと理解した上で、それでも「誰かのために働きたい」と思えるかどうか、ご自身の心に問いかけてみてください。
そして、現在警察官のパートナーとお付き合いされている方は、彼らがこうした特殊な環境下で戦っていることを、少しでも理解していただければ幸いです。
本記事の内容は筆者(元警察官)の個人的な経験と見解に基づくものであり、現在の全ての都道府県警察の運用と完全に一致するものではありません。採用情報や最新の勤務条件については、必ず各警察本部の公式採用サイトをご確認ください。また、進路の最終決定はご自身の判断で行ってください。









